富士宮

第23回中同協役員研修会イン富山-2

第2講は『半世紀を超えた同友会運動、その歴史と理念に学ぶ~「労使見解」を生み出した中小企業家の知恵と努力、今日的価値について』と題し、赤石義博中同協相談役幹事に、これまた「みっちりと」講義をして頂きました。

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4ページにもわたる、第1講以上に濃いレジュメでしたので、一部省略してタイトルを中心にレジュメを紹介します。

(1) はじめに
1.日常的な視点を磨くために歴史を学ぶ。それを単なる知識ではなく実践的に活かす。
~原因のない結果はない。私たちと私たちの子孫に未来のために、今、何を作り込むべきか~
2.同友会創立者たちは、「現象(結果の)」の「原因をどう判断し」、「どんな新しい原因を作ろうとしたのか」
~自らの努力で獲得できるべくして獲得すべき未来のために~
3.同友会は、「なぜ、できたのか(何を求めたのか)」
① 中小企業家の「正当な努力」を「正当に評価」し、大企業並みに経済政策の対象に。
② 「運動の中で何を磨き上げてきたか(めざすものは何か)」。

(2) 苦難の近代史の中で胎動し、戦後の試練が形成させた同友会理念
~戦後の、またしても大企業優先・官僚統制の動きの中で行動に~
1.同友会創立先輩の底流にあった「視点と思い」
2.労使問題に苦労し、悩まされながらも、本質的な解決策を追求
3.激しい労働攻勢の中で「全社一丸体制づくり」を求めて、ついに「労使見解」(1975年)へ

(3) 同友会理念「自主・民主・連帯」の深い意味の具体的展開「労使見解」精神の実践を
~同友会のいう「人間尊重」の理論的根拠と実践すべき具体的内容~
1.労使見解精神は、人間としての素朴な三つの願いへの具体的対応
~「全社一丸体制づくり」のプロセスで集約され明らかにされた社員の素朴な願い~
① かけがえのない命を大切にしたい。健康でありたい。与えられたいのちを全うしたい。
② 仲間として認められたい、当てにされたい、できれば尊敬されたい。
③ 職場や専門分野で輝く存在を目指すなど、かけがえのない人生を悔いなく精一杯生きたい。
2.前項①~③は、それぞれ民主、連帯そして自主の深い意味と照応している。
~「生命の尊厳性の尊重」、「人間の社会性の尊重」、「個人の尊厳性の尊重」~
3.人間尊重の精神「生きる。くらしを守る。人間らしく生きる。」と「自主・民主・連帯」とのつながり。

(4) 運動の展望と人類の未来 ~人類の未来を担う中小企業・自営業~

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今回初めて赤石相談役の講義を聞いたのですが、レジュメはレジュメ、講義は講義というスタイルだったので、話があちこち飛んでなかなかうまくメモが取れず苦労しました。(第1講で既におなか一杯であったことも原因ですが・・・)
しかし、言葉や数字にうろ覚えの部分が全く無く、90分間淀みの無い講義を行えるのは、長い同友会活動を通して完全に自分のものにされている赤石相談役にしか出来ないスタイルではないかと思いました。

講義の中で、「自主・民主・連帯の深い意味の先に人間尊重の精神がある」「同友会は1962年からずっと労使見解をやって来ているが、最初から労使見解があったわけでは無くて、どうしたら食べていける中小企業になれるのかというところからスタートしている」という二つの内容がとても印象に残りました。

「同友会は経営を勉強する会ではあるが、結局のところ、生きざまを学ぶ会であり、人間尊重の会である」という講義最後の赤石相談役の言葉に、同友会の奥深さを再認識させて頂きました。


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