富士宮

10月例会報告「神棚に想いを込める~選択と集中で拓く世界~」

日時:10月11日(金)19時より

場所:志ほ川(城北町667番地)

参加者:会員35名、他支部会員2名、オブザーバー3名  計40名

 

10月例会は、有限会社静岡木工(榛原郡吉田町住吉3217-1)の代表取締役杉本かづ行氏に「神棚に想いを込める~選択と集中で拓く世界~」と題して、氏が現在の会社に出会って入社し、紆余曲折を経て神棚業界に新風を吹き込む商品を送り出すまでの軌跡を語っていただきました。

入社当時はホームセンターに卸す木工製品半分、神棚半分くらいの割合で製造していたそうです。薄利多売な業界のため、自社製品をホームセンターのバイヤーに売り込むためには、価格競争にならざるを得ず、入社してまもなく人件費の安い中国での生産の責任者として前社長に送り込まれました。しかし、文化の違いもあり、10個検品して1個しか出荷できず苦労したそうです。活路を求めてインターネット販売に乗り出しますが、当初は利益が出ず、担当者の給与も心配したとのこと。

転機が訪れたのは、初めて会社の決算書を見たときでした。絶望的な数字を見た時に「何とかしなければ」とスイッチが入ります。中国から撤退し、神棚以外外の木工製品の製造もやめ、大量生産で薄利多売な商売ではなく、品質を重視して地道にそのことを消費者に伝えていくビジネススタイルに転換。神棚といえば和室に置くものという常識をくつがえし、洋間にも馴染むデザインの神棚をインターネットで試販したところ、消費者のニーズをつかみました。ちょうどその時期にテレビで静岡木工の洋間に似合う神棚が取り上げられ、放映日には会社の電話が鳴りやまなかったそうです。現在では、静岡市をはじめ東京にもアンテナショップをオープンして、さらに日本の神棚文化を新しいスタイルで広めていこうと、新たな挑戦の最中です。

神棚に手をあわせて祈るという、日本の文化を再発見する機会を、自社の製品を通して消費者に提供したことが現在の成功につながっていると感じる報告でした。

btrhdr


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