富士宮

平成20年度富士宮支部 テーマ『中小企業憲章を学ぶ』 ~中小企業・地域振興条例の制定を目指す~

 中小企業憲章とは、EUが2000年に制定したもので、中小企業こそヨーロッパ経済の背骨であり雇用や新規ビジネスの源である、よってEU加盟国の全てが、中小企業を中心に考えた諸政策を制定、実行しなければならないと宣言したものです。片や、現在の日本の状況はどうでしょうか。政府、政治家、官僚、さらには多くの国民、諸政策、経済の流れの全てが明らかに中小企業でなく大企業に向いています。利害関係や既得権益、影響力、発言力の強さなどにより長年続いてきた構造はまったく変わっていません。

 今、日本は原材料高、原油高によって川上ではインフレーションが始まっているにもかかわらず、値上げが製品に転化できない、労働賃金が上がらないなどの為に、川下では明らかに不況になっています。さらにこれからの日本は少子高齢化によって市場そのものが縮小し、労働人口の減少によって生産力も低下することが懸念されます。大企業は市場と労働力を、急成長を遂げている国々に求め始めていますが、地方を経済基盤とする中小企業にとっては困難です。大企業が国内に生産拠点を置いた場合でも、地方の労働力を使い利益は大企業と大都市に還元します。製造業だけでなく大手SCの場合もまったく同じで、地方の購買力(お金)が大手SCと大都市に流失します。大企業や大手SCは地方で消費(仕入れ、設備投資等)しないため、地方へはごく一部の労働賃金と法人税のみです。これでは、地方の中で経済が回転するどころか、大都市圏に流れ出す一方です。

 それではどのようにして地域経済を活性化させ、地域の暮らしを守り、豊かにするか。そこでEUの中小企業憲章に学び、今までの大企業や大都市が最重要とする考えから、中小企業や地方こそ、これからの日本にとって最重要であることを国や地域の住民や我々自身が自覚し、中小企業や地方が活性化できる諸政策を国や県や市が優先的に打ち出すことを要望する。(中小企業・地域振興条例の制定を目指す)そして我々中小企業も、それぞれの立場で製品、製造、生産、商品、顧客、商圏、需要、供給など自社や地域にとって重要なことは何か、今一度原点に帰り、見直し改善する。そして、自立した地域、豊かさの感じられる地域を実現するために、やるべきことはやり、要求すべきことは要求する。今年1年、中小企業と地域の環境をよくするための中小企業憲章や中小企業振興条例を、皆様と共に学び合うことができればと考えております。よろしくお願いします。

◆1.例会
今年の活動方針として掲げた中小企業憲章と中小企業・地域振興条例を例会のテーマとしてぜひ取り上げたいと思います。難解なテーマですが、少しずつでも内容を理解してゆくことで、将来大きな力となるはずです。また、我が経営を語るや会員の親睦を図る為の例会も開催したいと思います。

◆2.グループ会
今年度は、新しいグループ編成にさせて頂きました。新しいグループのメンバーと親交を深め、学び合うことができます。近況報告などグループ会の活動が、メンバー同士活発な意見交換や討論ができる場になることを目指します。

◆3.青懇青懇メンバーも益々増え、より活発な活動を期待します。経営の勉強や、お互いの悩みの相談など、メンバーがよりよい経営ができるためにどのように活動してゆくか、目的意識を明確にして活動することが重要と考えます。

◆4.全国大会
なかなか時間を作り全国大会に参加することは大変ですが、参加すれば必ずプラスになります。初めての方も参加して頂けるようなご案内を心がけたいと思います。

◆5.中小企業大学
今年度で、既に5期目になります。同友会のメンバーが中心に活動し、富士宮市役所の主催で毎回多くの市民の方に受講して頂き、受講者のリピート率もかなり高くなっています。身近で大学の先生の講義が聞けますので、ぜひ皆様も参加して下さい。

◆6.合同入社式
毎年、富士宮支部の会員企業で開催しています。皆様の会社で新入社員がいらっしゃる際にはぜひご参加下さい。中途採用の方も、もちろん歓迎です。より多くの方に参加して頂くことで、より有意義な合同入社式になります。ぜひよろしくお願いします。

◆7.会員増強
同友会の広報活動も伴いながら、同友会が魅力あるものにならなければ、会員の増強には繋がりません。やはり、現会員の皆様によい会だと認めて頂けることが、1番の会員の増強になります。そのような魅力ある会を目指します。

富士宮支部 支部長 池谷達也(合資会社池谷文具店 代表社員)


  • 富士宮支部
  • 静岡県中小企業家同友会
  • jobway
  • DOYUNET
  • 同友会会員検索
  • 同友会活動支援システム

過去記事