富士宮

「 リーマンショックを乗り越えて 」 (株)辰山組 佐野充洋氏 (11月度Aグループ会)

11月28日(月)、富士宮清掃(有)「いろり」にて、11月度Aグループ会が開催されました。
(出席者:阿久澤氏、稲原氏、河村氏、菊池氏、佐野充洋氏、Bグループより草ケ谷氏)

今回は「リーマンショックを乗り越えて」と題して、(株)辰山組 佐野充洋代表取締役による「我が経営を語る」を行なって頂きました。

工場での産業機械の据付・修理・メンテナンスを中心に重量物の据付・移動、配管工事などを幅広く手掛ける(株)辰山組は、佐野社長が祖父の名前を元に平成9年に起業した後、順調に業績を延ばし平成18年に法人化した、社員5名からなる会社です。

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義理と人情を大切に、作業中に道具をきちんと整理することを含め真面目に仕事に取り組んで来たことで業績を延ばしてきた(株)辰山組に大きな変化が起きたのが2010年。

2008年に起きたリーマンショックの影響が、少し遅れて(株)辰山組を襲ったのです。

2009年度から落ち出した売上がさらに落ち込み、とても会社を存続できる状況では無くなってしまい、公的補助を活用しながら次の一手を模索する日々が続きました。

そこで佐野社長が出した結論が、「御用聞きに全国を廻る」ことでした。西は神戸・大阪から東は茨城県日立市まで、元請け・下請けに関わらず今までに取引のあった会社73社を名刺交換した担当者を頼りに「何か手伝えることはありませんか?」と、全社を廻ったのです。

冷たくあしらわれた会社も何社かあったものの、多くの会社で好意的な応対をしてもらうことが出来たそうです。ただ、どの会社も設備投資を控えている状況の中での訪問ですので、当然ながら受注にまで至るケースは、あまりありませんでした。

そういう状況の中でも、「うちでは無理だけれども、ここなら話を聞いてもらえると思う」と近くの会社を紹介してもらったり、しばらく経ってから仕事の依頼話が来たりと、直接出向いた効果がじわじわと効いてきて、現在では、仕事をある程度選別することが出来るまで業績を回復させるまでに至りました。

所属する業界団体の会合と日程が重なるため、なかなか支部例会に参加出来ない佐野社長なのですが、5年ほど前に参加した県行事で聞いた言葉を座右の銘として手帳に書き留め、その言葉をいつでも見て初心に帰れるようにと毎年更新する手帳に書き移していたり、苦境の中で全社を廻ったりと、同友会活動の基本である「愚直に学び、実践する」を最も行なってきた会員の一人ではないかと思います。

また、自身が独立開業をする切っ掛けとなった「社会保険に加入している会社に勤めたい」という思いで会社を経営している姿は、これもまた同友会活動の基本「人を生かす経営の実践」そのものであると思いました。

「会員は辞書の1ページである」と言われていますが、とてもためになる、印象深い1ページを見ることが出来たグループ会でした。


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