富士宮

平成22年度 富士宮中小企業大学 第一講 レポート

平成22年度 富士宮中小企業大学 第一講

開講日  9月28日

講師  静岡大学 山下秀智名誉教授

講義  宗教 「親鸞」

■開校式

富士宮中小企業大学学長である小室市長より、8年間継続してきたことへの感慨と、中小企業家同友会富士宮支部への感謝の言葉が述べられた。続いて中小企業家同友会富士宮支部蓑支部長より、同友会の三つの目的と、受講者への感謝の言葉を述べた。

■講義

カール・ヤッハ(ドイツ)の唱える「枢軸の時代」に、精神的支えであるキリスト・ブッダ等の世界宗教やソクラテスを代表とする哲学が生まれた。

仏教には様々な宗派があるが、根源はブッダの悟りであり、その悟りを各宗派が様々な言葉で伝えていると言えるのではないだろうか。

シッダルタ(ブッタ)は釈迦族に生まれ、四門出遊(生病老死)を経て29歳で出家し、禅定や6年にわたる断食苦行を続けるも悟りを得ることは出来なかったが、瀕死の中、スジャータに与えられた乳粥が血液に、体力が精神作用に転化していくことを、全心身で捉え縁起を悟った。「全てのものは、みな縁(条件)によって生まれ、縁によって滅びるのである。」

人間が思考する、言葉で表現する(痴)ことにより、ありのままの世界(如)と必ず齟齬を来たす。仏法は三法印(諸行無常、諸法無我、涅槃寂静)により如(ありのまま)に近づく。

浄土教は、一切の生きとし生けるもの(十方衆生)が苦悩から救われない限り、自らも救われない(仏にならない)という誓願(本願)を「宗」とし、名号(南無阿弥陀仏)に願心と無限の修行の結果を込めて回向された。

親鸞の唱える「悪人正機」の悪人は「痴」(人間の言葉・思考)を指すのであろうし、念仏を一心に唱えることにより「如」に近づくのではないだろうか。

報告:河原崎信幸 (シンコーラミ工業株式会社 代表取締役)


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