富士宮

富士宮市中小企業大学 第三講報告:エネルギー問題 ~私たちは何を選択すればよいのか~

富士宮中小企業大学 第三講報告

開講日  10月21日
講師    静岡大学人文学部 鳥畑興一教授
講義    「エネルギー問題 ~私たちは何を選択すればよいのか~」

10月21日 第三講は、先生が国際金融のスペシャリストということもあり、最近の商品市場に視点を置いて、金融市場と一体化されてしまったために起こった混乱、そのメカニズム、これからのあるべき姿について語ってくださった。

01年にITバブルが崩壊すると、投資マネーは住宅市場や原油・穀物市場へ流入していったため、住宅・原油・穀物の高騰を招いた。市場の価格決定が需給のバランスではなく、投機によって価格決定するようになっていった。

原油価格の高騰はエネルギー転換に貢献するかと思われたが、CO2排出量の多い石炭にシフトしていった。

住宅バブルはサブプライムローンを生み出し、「略奪的金融」は拡大していった。ハイリスクローンをAAA格の証券にする、証券化手法の錬金術は、当然のように破綻を迎え崩壊していった。これによって世界的信用収縮は一気に進行した。

投機社会がもたらしたのは「奪う金融」の暴走であった。

これからは国が推奨してきた「貯蓄から投資へ」の再考が必要である。貯蓄をマネーゲームを支えるリスクマネーの供給に変えることによって、地域マネーの流出が起こり、実体経済(中小企業)を支える金融の衰退を招いてしまう。

「金融立国」論に惑わされず、内発型の地域循環経済振興を推進し、地域社会の持続を保証するためには、地域のマネーを地域のために活用する「地金地消」の実現が必要である。

<報告:シンコーラミ工業株式会社  代表取締役 河原崎信幸>


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