富士宮

富士宮支部9月オープン例会 その1

9月11日(木)、富士宮駅前交流センター「きらら」にて、9月度オープン例会が開催されました。
(参加者 富士宮支部:41名 他支部:14名 オブザーバー:6名 事務局他:3名 合計:64名)

開会、目的唱和、支部長挨拶の後、10月実施の全県経営フォーラムin榛原のキャラバン隊(堀池実行委員長以下3名)によるPRが行われましたが、今回、富士宮支部から報告者(田邉元裕氏)を出すこと、来年、富士宮支部が設営支部となることもあり、是非、多くの会員に全県経営フォーラムを経験してもらいたいと思っています。

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今回講師を務めて頂くのは、中同協の松井清充専務幹事で、「人を生かす経営とは」と題して、ビッシリ10ページにも及ぶレジュメを基に70分間、とても密度の濃い同友会ならではの講話をして頂きました。
以下にレジュメのタイトルだけを書きあげてみますが、これだけでも目がクラクラしてしまいます。

① はじめに(立ち位置を明確に)
(1) 地域の危機(見える未来)
(2) モノの豊かさから心の豊かさ追求の時代へ(見えない未来)
(3) 時代の流れ

② なぜ同友会はできたのか(原点と生まれた歴史)
(1) 原点の本質から、人間をつくってきたのは働くこと、企業とは
(2) 同友会の生まれた歴史

③ 同友会をつくった先輩は何をしたのか(労使見解)
(1) 自立型社員をつくる、同友会の労使見解が生まれた背景
(2) 経営者の責任(労使見解の一部)
(3) 三つの目的はじめ同友会理念は、労使見解実践の企業づくりから生まれる

④ 同友会理念とは何か(労使見解から創り出された)
(1) 三つの目的で確認すると
(2) 自主・民主・連帯も企業づくりから
(3) 人間尊重から「地域や国民のために」
(4) 「NOと言わない」企業から、NOといえる「21世紀型中小企業」

⑤ 全国の仲間の実践事例から学ぶ(実践事例に学べば)
A 自立型企業づくり事例
(1) 「自立的」企業・・・旭電機化成(株)(大阪)
(2) 「質の高い」企業・・・(株)モリタ(富山)
(3) 「創造的」企業・・・徳武産業(株)(香川)

B 自立から発展した経営指針の取り組み事例
(1) 強みを生かして創造的に市場をつくる企業・・・東洋ゼンマイ(株)(富山)
(2) 弱みを強みに変える創造的な企業・・・(株)小林ゴールドエッグ(徳島)
(3) 困ったことに応えて仕事を創る企業・・・吉原住宅(有)(福岡)
(4) 連帯・連携で市場を創る企業・・・アイネット(株)・服部製紙(株)(愛媛)
(5) 理念を発信し創造する企業・・・(株)宮崎本店(三重)
(6) お客をファンから信者に、経営理念発信の企業・・・(株)京北スーパー(千葉)

C さらに現在の時代認識に応える取り組み事例
(1) 大量から個人へ・・・小西釦工業(株)(大阪)
(2) モノからコトへ・・・(株)ママ・サービス(京都)
(3) 障害者や高齢者に優しい・・・(有)思風都(京都)
(4) 地域に優しい・・・(株)四万十ドラマ(高知)
(5) 最後に、仕事と雇用を創れる企業が日本と地域の再生を担う

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1977年から大阪同友会、2009年から中同協と、36年もの間一貫して同友会事務局に籍を置いてきた松井氏ならではの「定点(事務局)から物を見続けてきた視点」でのお話は、時代が変わろうが話題が変わろうが、全く視点がブレることのない松井節そのものなので、我々のつたない頭の中にもしっかりと「記憶」として大きな足跡を残してくれました。

とにかく、密度もボリュームもある上、個々人の立ち位置、現在直面している問題の違いなどによって、今回の講話で印象に残った部分はかなり違うとは思いますが、個人的に印象に残った言葉をここでいくつか紹介したいと思います。

・未来には「見える未来」と「見えない未来」がある。人口減少問題だけは、見える(予想がつく)未来である。
・少子高齢化と一括りにしてはいけない。少子化は人口減となるが、高齢化はやり方次第でビジネスチャンスとなる。

・原因があるから、結果がある。今の状況(結果)を作り出しているのは、過去の選択(原因)があるからである。
・逆に言えば、これから何をするか(原因を作り出す)で、この先の将来(結果)が変わっていく。(だから今頑張れ!)

・業界の境界線が無い時代。ライバルは他社ではなくて異業種。(スマホがPC・デジカメ・カーナビ市場を侵食)
・さらに通信費のアップで、交際費・衣服費・外食費・教育費などが減っている。(間接的にこれらの市場を侵食)

・価格競争に勝ったはずの会社が今苦しんでいる(個人喫茶店を潰したドトールがセブンの100円コーヒーに苦戦)
・「物の豊かさ」から「心の豊かさ」を求める時代。ただ「求めているものが本人にも分からない」という時代。

・人類は「親子以外で群れを作り」・「共同体として働く」ことが出来たので、他の動物に勝ることが出来た。
・生きるために経済があり、一人でやるより効率が良いから企業が出来た。企業は株主のために有るのではない。

・労使見解で一番大切なことは「違いを認め合う」という精神。(「違い」という、個人の可能性を追求する)

・経営指針、全社一丸体制が出来上がっても、定期的な雇用がなければ、企業は良くならない。
・10年も新入社員が入って来ない会社に、未来などあるわけないし、社員のモチベーションも当然上がらない。

・「お客の困ったことに応える」これが実は、経営計画そのものである。
・だから経営計画は、お客の困りごとを一番知っている現場の人間が作るべきである。(社長が作ってはダメ)

・同友会の言う「民主」とは、単に多数決で決めることではなく、徹底的に議論を尽くした先にあるものである。

・とにかく何でも良いからオンリーワンを作れば、それが突破口となって企業は成長することが出来る。

・自社の成長は、地域の「良い経営環境」づくりに貢献する。(自社の成長が地域に対して良い影響を及ぼす)

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講演後半の「全国の事例紹介」は、さすがに事務局ならではの圧倒的な情報量であり、今度機会を設けてひとつひとつの事例をじっくり学習してみても良いかなと感じました。

これだけ密度の濃い講演をして頂いた松井氏なのですが、実は、当初講師で予定していた赤石義博中同協顧問が急用で来れなくなったためのピンチヒッターでした。

「赤石さんが来るから」ということでオープン例会にしたこともあり、支部内で代役を立てる訳にも行かず困っていたところ、本当に時間が無い中(例会は3日後でした)で講師役を買って出て頂き本当に助かりました。
ここで改めて、松井氏と中同協事務局の皆様に感謝したいと思います。

その後のバズセッション、懇親会の様子につきましては、その2で記事に致します。


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