6月20日 富士・富士宮合同例会 報告:人見明会長・人見毅社長
6月20日(木)、富士市浅間本町の樟泉閣(しょうせんかく)にて6月度富士・富士宮支部合同例会が開催されました。
出席 会員:38名 オブザーバー:1名 合計:39名(富士宮支部)
今回は、京都同友会より人見建設(株)の人見明代表取締役会長および、人見毅代表取締役社長の2名をお招きし「 同友会で学んで実践、理念を繋いだ事業承継 」というタイトルで報告して頂きました。
人見明会長、人見毅社長
報告は、人見明会長・人見毅社長が、ひとりずつ交互に登壇するスタイルで行なわれました。まず、人見毅社長が「私の生い立ちと引き継ぐまでの経緯」という括りで20分間の登壇です。
中学生の頃からアルバイトで現場に出入りし、花形である大工への憧れもあって高校卒業後、知り合いの建設会社に入社するものの、2年ほどで退社。その後、建設業界から離れた時期に、ものづくりへの気持ちが段々と強くなり、社長(現会長)に懇願して入社。
日々の仕事を通して成長を実感してきたものの、社内会議で「会社は永続性が必要、次期社長は息子でなく適任者を」と社長が発した一言がキッカケで、自分自身の成長がまだまだであることを実感し、同友会に入会。
先輩から多くの金言を頂き実践を重ねるなかで、2013年8月に開催された近畿圏合同例会にて報告者を務めるチャンスを頂き、「不易流行」というテーマで250名の前で発表し、入社以来初めて社長から褒められ、この時、次期社長として正式に名乗りを上げた。
続いて、人見明会長の登壇です。内容は「家業から会社組織へ」、持ち時間は同じく20分。
税務署に入られ、謂われ無き追徴課税をされたこともあって法人化を決意したのが、1983年。そのまま社長となったものの、ゼロから組織を作らなければならず、大変な苦労をした。
同友会では、経営理念や就業規則の作成だけでなく、その他諸々、大変お世話になった。その恩返しでは無いが、支部長も務めさせて頂いた。
30年前には 80万人居た大工が、今は30万人。若手の育成急務が課題となっているため、当社でもそこには力を入れている。
①社内、②協力業者・仕入先、③主要得意先、④銀行、それぞれの同意が無ければ事業承継をしたとは言えない、今はまだ途中段階のために、自分も代表権を持っている。
創業百周年ということで、京の老舗表彰を先日受けた。21社のうち建設業は当社のみであり、大変有難いことを実感するとともに気が引き締まった。
最後に、人見毅社長が再登壇。内容は「同友会での学び、今後の展望」で、持ち時間は10分。
「会長が元気なうちに社長になりたい」「5年は会長として見守って欲しい」この二つの要望をお願いした。
入社21年後の2014年株主総会(30周年記念事業)に於いて、次期社長として正式発表を受けたものの、次の半期総括会議で業績の数字が全く分からず、代わりに受け答えした会長の言葉をメモするだけという悔しさを味わった。(次回では、つたないながらもリベンジを果たす)
今後も、現場で働く人を大切にしながら、強い使命感を持って仕事に当たって行きたいという結びで、報告終了です。
お二人とも同友会で学んできたこと(二人とも支部長を経験)もあり、お互いを深く信頼していることが良く分かる、素晴らしい親子関係を築いていることが、報告全体を通して伝わってきました。
特に、毅社長が報告をしている間の明会長の、毅社長の報告をあたたかく見守る眼差しが大変印象に残りました。
会長の厳しくもあり優しくもある姿勢と、社長自身も息子という立場に甘えず、同友会というプラットフォームを利用して人間性を高めたことが、このような良好な親子関係を築けた理由ではないかと思いました。
人見明会長、人見毅社長、貴重な話しをどうもありがとうございました。