富士宮

中同協役員研修会in静岡 第2講「労使見解」に基づく企業づくり

第1講に引き続いて始まった第2講は、中山英敬中同協幹事長の講話です。講話のタイトルは、『「労使見解」に基づく企業づくりに取り組み、「人を生かす経営」の輪を地域に広げよう』

地元の有力企業で、テレマーケティング事業の責任者として基盤づくりに全力で挑むものの、3年も経たないうちに会社から事業撤退を告げられる。「何故なのか」納得出来ない中山氏は「会社がやらねば俺がやる」と退社し、1998年、資金ゼロから独立創業。

「日本一のコールセンター」を目標に掲げ、夢に向かい突っ走るものの、次から次へと苦難がやってくる。同友会での学びと実践を繰り返すことで徐々に会社が良くなっていき、4年後、お客様から絶大の信頼を寄せられる会社にまで成長。

「日本一のコールセンター」の目途が立ったことで現場を社員に任せ、自身は、もう一つの夢であった多角化経営を目指して新規事業の立ち上げに集中する日々が続きます。そんななか、得意先から「中山さん、会社の様子、おかしくない?」と問われ、久し振りに現場を確認したところ、直近2ヶ月で40名もの大量退職者を出している、「日本一のコールセンター」とはほど遠い、大混乱している現場でした。

得意先に懇願してコールセンター業務を1時間止めてもらい、従業員全員の前で自分の不徳を詫び、もう一度力を貸して欲しいと全員にお願いをします。

その際、辞めたオペレーターに対しても、それを報告しなかった幹部に対しても、一切責めることなく、「全ては私の責任」と従業員全員に謝ったそうです。

「人を生かす経営の実践」における「経営者の責任」をまさに地でいった中山社長の態度に、従業員も心を動かされ、元の体制に戻すまでに2年近く掛かりましたが、それを成し遂げた際には、以前とは比べものにならないほど強い会社へと成長することが出来ました。

現在では、100名ほどいるパートタイマーに対し、年2回の面談を必ず実施しているとのこと。面談開始当初は、疑心暗鬼もあるせいか、不平不満をまず言わなかったのが、いざ信頼関係が築かれると、今度は不平不満のオンパレード。しかし、その後しばらくしてより深い信頼関係が築かれるようになると、今度は逆に、「この時でなくても、いつでも言える」と、不平不満を言わなくなる。全社一丸体制とは、まさにこの状態を言うのではないでしょうか。

最後に、今後の課題として、「深刻化する人不足」について言及していましたが、その原因を「人不足だから人が取れない」と自社分析していてはダメだ、と強い口調で我々に訴えかけて第2講が終了しました。

グループ討論のテーマは、「『人を生かす経営』で同友会らしい黒字企業をつくるには?」。

今回は、ゴール地点である「あるべき姿」を各人に発表してもらい、それに必要な要件や資質を整理する中で見えてくる共通項について討論するという、通常とは少し異なったアプローチでグループ討論を行ないました。(グループ長の特権で)

あるべき姿としては「地域になくてはならない会社」「地域とともに歩み会社」というように「地域」という言葉がキーワードとなりました。

地域の中でキラ星のように光り輝く企業が増えれば、それだけ地域が活性化されて光り輝く。その輝きが魅力となって人やモノなど他地域からの流入が増えれば、その地域はさらに輝きを増す。

そんな地域を作り出すために、我々ひとりひとりが自社の魅力アップに務めることが大切だというまとめとなりました。

富士宮支部から参加したメンバーの集合写真

懇親会では、第1講、第2講でちんちんになった頭をビールでほぐし、他支部会員、他県会員と交流を図りながら、今日の濃く長い一日を振り返りました。


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