富士宮

富士宮市中小企業大学 第六講報告 小さな働き者の世界

開講日 11月18日
講師   東京農業大学 応用生物学部 大西章博助教授
題目   発酵の不思議 ~小さな働き者の世界~

 大西先生の実家は酒屋、醸造に興味を持ち東京農大へ、自らを称して微生物オタクと言う。

 醸造とは微生物を巧に操り、発酵食品を造ること。米から日本酒、麦からビール・ウィスキー、大豆から味噌・醤油等、様々な原料に、様々な微生物を働かせることによって発酵食品は造られる。

 近年、醸造科学の分野は食料・医療などのライフサイエンスに止まらず、環境技術に貢献する醸造環境学分野等、多方面に発展している。

 地球上に35億年ほど前に最初の生命として誕生した微生物が多様化し、27億年前に光合成を行う微生物が誕生した為に酸素が発生し、地球上に様々な生物が生まれた。

 環境とは地球を覆う大気圏・土壌圏・水圏そして生物圏が相互に作用する関係だが、地球が46億年かけて形成した温和な気候・環境を、人間が一瞬にして崩壊しようとしている。地球温暖化を止めるには化石資源に代わるエネルギーが必要である。

 ゲノム解析により応用微生物学は格段に進歩した。新エネルギーとしてバイオマスエネルギーに期待が高まる。人間が生活していくうえで発生する有機廃棄物を、微生物の力でバイオマスエネルギーに変えることができれば、環境問題を打開することができるのでは。
小さくて巨大な存在の微生物に、クリーンエネルギーへの期待が高まる。

 大西先生の講座の後、卒業式が行われた。第5期となる平成20年度卒業生41人(5講座以上)に卒業証書が手渡された後、大西先生に祝辞を述べていただいた。

 大西先生が卒業生に贈ってくれた、「北の星に向かって耕せば、畝は真っ直ぐに延びる」というお言葉の深さを感じた卒業式でした。

<報告:シンコーラミ工業株式会社  代表取締役 河原崎信幸>


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