富士宮

8月度Aグループ会 かわむら呉服店

8月24日(月)、8月度Aグループ会が、かわむら呉服店にて7名の参加で開催されました。
(河村、伊藤、内田、西躰、宮下、宇佐美、稲原)

今回は、Aグループ長である河村徳之氏が、自身の生い立ちからお店の歴史、呉服の基本的な知識から業界の推移、そしてこれからの時代に向けた自身の取り組みについて、実際に河村氏がデザインした反物などを見ながら、ざっくばらんに話してくださいました。

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戦後、満州から引き揚げた祖父が、行商から始めたかわむら呉服店。
現在三代目としてお店を切り盛りしている河村氏ですが、現在の呉服業界はピークだった昭和46年の2.5%!(京友禅)の出荷高しかない、大変厳しい状況の中にあります。
(昭和63年比で10%、平成10年比で50%と急激に落ち込んでいる)

そのような時代の中、安易に安い商品に流れるのではなく「本物」を追求することで、この厳しい状況を突破しようと考え、行動しています。

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その行動のひとつが、オリジナルデザインの反物です。
上の画像は、淡く染めた生地に一対のすずめの刺繍をあしらった反物です。

一対のすずめは阿吽をあらわし、着物になると右脚と左胸という離れた場所でお互いを見つめ合うようにデザインされていて、ごく日常の自然体の夫婦愛を表現しています。
また、季節に囚われることなくいつでも着れるという日常性を大切に考え、季節を問わず身近に見かけるすずめをモチーフに選んでいます。

また平成23年より、毎日ブログ(かわむら呉服店)を更新し、呉服の魅力を発信しています。
最近では「ブログで見た反物を見せてくれ」と指名買いをするお客様も増えてきたそうです。
「血の通ったカタログを目指す」とのことですので、是非一度、ご覧になってみてください。
(とても凄い情報量ですから、見て着物が欲しくなっても、責任は負えませんが・・・)

最近は、作り手側の後継者不足も顕著となっていて、もう作ることが出来ないであろう反物も見せて頂きました。
そうやって日本固有の文化が段々と失われていくことは、とても残念なことだと思いますが、先代である父親の人柄と、母親と妻の女性力というお店の強みを生かして頑張って行って欲しいと思います。

「30年後にも責任を持てる仕事をします」という強い決意で報告を閉めて頂きました。

その後、同じ商店街に店を構える中華料理「龍鳳」に場所を移して懇親会を開催しました。

着物の柄に込められた思いや季節感、そしてそれらを読み取る日本人としての繊細な感覚、忘れてはならない日本人の心を想いながら、皆、おいしい中華料理を豪快にパクつき、ビールをグイグイ飲んでいました。

このギャップの激しさが明日の活力を生むと思い込むことにして、無事お開きとなりました。


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