富士宮

平成24年度 富士宮市中小企業大学 第二講

平成24年度 富士宮市中小企業大学 第二講

日 時   平成24年10月2日  午後7時
講義内容  巨大地震と富士山の噴火
講 師   静岡大学 防災総合センター 副センター長
       教育学部 教授 小山真人氏

 先生は始めに、地震の基礎知識を確認しましょう。地震とは地面が揺れ(尺度は震度)、震源が破壊される(尺度はマグニチュード)こと、そして揺れの大きさは地盤の状態で大きく違い、地盤の硬い場所では揺れが小さく、弱いところでは大きく揺れます。2011年3月11日の地震は、南北500km東西200kmの巨大な断層面が最大50mほど動いて、マグニチュード9.0の巨大地震を引き起こしました。地震のマグニチュードとは、放出された地震波エネルギーの総量の目安だが、Mが1増えるとエネルギーは約30倍となる。

 懸念されている東海地震はM8と予想され、東南海地震・南海地震と同時発生(いわゆる3連動破壊)してもM8.7と予想される。ただし東日本大震災より陸に近いところで発生するので、津波の到達は早いところでは5分と予想される。

 津波は引き波があってから押し寄せると言われているが、断層のどちらが隆起するかによって違い、突然高い津波が襲ってくることもあるので要注意。

 地震を起こす歪の場所・大きさは分かっているが、いつ発生するかは予測できないが、プレートで起きる地震にはある程度の周期があり、東海・東南海・南海では過去100年から150年の周期で起きている。この地震で静岡県の湾岸部では、隆起と沈降が繰り返されてきた。東海道の由比・蒲原も昔は山の中腹にあったが、沿岸部の隆起により現在の湾岸部にできた。富士宮も富士山の溶岩が富士川まで達していたことから、富士山の稜線にあったが、星山の隆起によって潤井川の堆積で現在の富士宮市の地形ができた。人は地震による環境の変化に見事に順応してきた。

 3.11の巨大地震は富士山にも影響を及ぼし、マグマだまりに亀裂が生じ3.15の地震を引き起こした。3連動の地震が発生した場合、富士山の火山活動に影響を及ぼすことは必須であるとして、富士山のハザードマップを作成した。噴火の予想される場所は、宝永火口から頂上を結んだ延長線上であるが、先生は栗むきを例にして、圧力をかけた縦方向に裂ける現象を例に、分かりやすく解説してくれた。富士山の噴火による被害予想は、偏西風の強弱による影響や降雪時の融水土石流の危険など、季節によってハザードマップが変わることを知った。最後に地震の発生確率の質問があったが、「天気予報の降水確率と同じですよ」と答えてくださった。

★報告:河原崎信幸(シンコーラミ工業株式会社)


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