富士宮、富士支部6月合同例会
6月2日(金)、駅前交流センターきららに於いて、富士宮、富士両支部による6月合同例会が開催されました。
報告者は徳武産業株式会社代表取締役会長、十河孝男氏(香川同友会)です。先般開催された全研香川大会で会場を感動の渦に巻き込んだと言われる報告を、ここ富士宮でも拝聴できる機会に恵まれました。
大手靴メーカーの下請けでバレーシューズなどを縫製する事業を柱としていた同社ですが、時代の流れで生産拠点を海外へ移管する動きを受けて業務の転換を模索し、ケアシューズの生産に乗り出します。
きっかけは特別養護老人ホームを経営する友人からの依頼。転倒することの多い高齢者向けに、歩きやすいシューズを作ってほしいというものです。調べてみると、足の形などは一人ひとり千差万別。左右でサイズが違う人も多くいました。これにきめ細かく対応していくのは至難の技であり、当然、社内でも反対の声は強かったのですが、十河氏は参入を決意します。
500人を超える高齢者の足、歩き方を徹底的に調べ、「あゆみシューズ」を開発します。パーツオーダーで細かい要望に対応でき、かつ色柄も多くおしゃれな靴は利用者の心をとらえ、市場の50%を占める大ヒット商品に成長しました。
氏の根幹に流れる言葉は「損得より善悪」。目先の利益よりも、それが公にとって有益なものであるかを常に考えています。税理士に「あゆみシューズ」がビジネスモデルとして特許が取れると勧められても、他社の参入を阻めば結果的に利用者の方を困らせることになるとして取得しませんでした。大手も参入して業界が活性化されている現状を見て、あのときの判断が正しかったと満足していると語る姿に、本当に驚かされる思いがしました。
淡々と話す十河氏ですが、その中身は本当に重く、示唆に富んでいました。自分は変化を恐れていないだろうか?利己心にとらわれ目先の利益にとらわれることなく、徹底的にお客様のことを考えて行動しているだろうか?お客様から感謝されるくらいのモノ、サービスの提供ができているだろうか?
今日からは、お客様、家族、周囲の人たちと向き合う姿勢と意識を少しずつでも変えて行こうと思わされる内容でした。この報告を富士宮支部の皆にも聞かせたいと尽力してくれた役員の皆さんにも、本当に感謝します。富士宮支部の会員で良かったです。
懇親会はフジヤマタパスさんで行われました。美味しい牡蠣をいただきながら、富士宮支部の会員で良かったともう一度思いました。