富士宮
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愛知同友会 西三河支部 碧南・高浜地区7月例会 簑威賴氏報告

7月24日(水)、愛知同友会 西三河支部 碧南・高浜地区7月度例会に、(株)アサギリ 簑威賴氏が報告者として登壇するとのことで、富士宮支部から7名の会員が地区例会に参加致しました。
参加者 阿久澤、伊藤、稲原、宇佐美、穂坂、簑、渡辺(一)

報告タイトルは「 Your Company Happy? ~ 経営理念ってあったほうが良いよね ~ 」で、全国大会で簑氏と同じテーブルになった地区の会員が、経営理念に真摯に向き合う簑氏の姿勢に大きな感銘を受け、「経営理念を語ってもらうなら、簑さんで」という強い想いで実現した地区例会でした。

西三河支部 碧南・高浜地区は、会員110名を有し、毎月の地区例会参加者が80名を超えるという全国的にも大変稀有な地区(支部)であります。さらに今回は、特別例会ということで、当日は、ゲスト・オブザーバーを含めて、120名を超えるエントリーがありました。

広い会場に、20近いテーブルが並ぶ姿は、まさに圧巻の一言。静岡では、なかなか見られない光景に、富士宮支部会員のテンションも上がります。

簑氏の報告は、「たゆたえども沈まず」という経営理念を地で行くような、波乱万丈の出来事を振り返りながら、その場その場でいかに経営理念に救われたかを語る、正に理念経営の実践そのものの「我が経営を語る」でした。

特に、金融機関が融資の可否を判断する際に作成する事業性評価シートの記入項目のトップに経営理念があり、経営理念を持たない会社・経営者にとっては、トップ項目が空欄=融資対象にはならない、ということであることと、コンプライアンスに厳しい企業ほど、取引先の経営理念に着目し、それを確実に実践しているかを企業訪問時に確認している、という2点の実例を挙げて、「理念が要るか要らないかではなく、理念がマストの時代になった」ことを強調していました。

バズテーマは「経営指針は必要と思いますか?」でした。こういうYesNo形式のテーマだと、Noと考える方の意見をYesに持っていくことが難しく、意見が二つに分かれたままで、時間オーバーとなることがどうしても多くなってしまいます。

実際、自分が座ったテーブルでも、Yes4名・No3名に分かれてしまい、Noの方が積極的に意見を言ったことや、グループ討論の時間が30分と短かったこともあり、良い方向にグループ討論を進ませることが出来ませんでした。(グループ長も四苦八苦していました)

「学び方を学ぶ」と良く言いますが、企画された例会の意図を考えて、自分のポリシーというフィルター外し、「まずは吸収する」という姿勢が改めて必要であることを感じました。

最後に、参加オブザーバーからの感想、他地区ゲストからの連絡をする時間がありましたが、あれだけ大勢の人数を短時間で捌くスムーズな運営を見て、参考にしたいと思いました。

大変貴重な経験をすることが出来ました。この経験を今後の支部例会運営に還元していきたいと思います。


7月16日(火)、第1回(仮称)流通・小売部会が開催されました

7月16日(火)、富士宮清掃(有)会議室にて、第1回(仮称)流通・小売部会が開催されました。

参加者:赤池、阿久澤、稲原、宇佐美、遠藤(嵩)、大澤、河村、草ケ谷、佐野(充)、塩川(拳)、竹内、外木、西躰、細野、深澤、宮下、望月(俊)、望月(知)、望月(史)、渡邉(昭)、渡辺(一)、渡邉(卓) 合計:22名

これは、厳しい状況に晒されている流通・小売関係の会員が集まって、どうしたらこの状況を打開出来るのかを定期的に討議する場として、今回新しく発足した会議体です。

支部長挨拶、部会の趣旨説明をした後、一人2分程で自己紹介と自社を取り巻く現況、この部会への参加動機を発表してもらいました。

どの会員も「売上げをつくる」ことに四苦八苦している現況が、改めてはっきりと浮き彫りにされました。

自己紹介の後、流通を主体とするグループと、小売を主体とするグループの二つに分かれて、グループ討論でさらに深堀りを行ないました。

予定の時間を大幅にオーバーしてグループ討論が行なわれ、流通・小売共通の問題としては、これからますます加速化する人口減少社会によるパイの縮小と、異業種参入による競争の激化の2点が挙げられました。

小売グループのまとめとしては、大企業の進出とインターネットによって、苦しい戦いを強いられていること、特に、インターネットがあらゆる面で大きな影響を及ぼしていることが報告されました。

流通グループのまとめとしては、大企業の進出によって立ちいかなくなった小売店がどんどん廃業をしていることと、大企業の囲い込み(発注が地元中小企業から大企業のグループ企業へ)が進んでいることの2点により、売り先を失っていることが報告されました。

最後に、竹内昭八氏より、「単に商品を仕入れて得意先に納品するだけの形態では、生き残ることは不可能な時代になっている。売り手にも買い手にも価値のある取引をどう構築し、地域で必要とされる企業となるために、ここで議論を尽くし、自らの頭で考え、行動し、協業し、前を見て進むしかない」というまとめで、第1回目の部会が終了しました。

次回は、より具体的な課題で議論を深めていきたいと思います。


7月度例会 「フジマーク」に出会えて良かったね。 鈴木昭二郎氏

7月12日(金)、志ほ川バイパス店にて7月度支部例会が開催されました。
参加者 支部会員:45名、オブザーバー:2名、事務局:1名、合計:48名

報告者は、鈴木産業(株) 鈴木昭二郎代表取締役社長で、支部独自組織の経営指針研究会で2年の歳月を掛けて生み出した経営理念を中心に「我が経営」を語って頂きました。タイトルは、「フジマーク」に出会えて良かったね。~指針成文化の道のりでの気付き、実践での気付き~です。

鈴木産業(株)は、昭和12年に祖父である鈴木徳一氏が始めた作業用手袋の製造が始まりです。昭和40年に法人化後、昭和43年、祖父の急逝に伴い、父親である孝昌氏が後を継ぎます。

翌昭和44年に昭二郎氏が生まれましたが、自宅に隣接する工場で縫製作業を行なっていた影響からか、小さい頃から喘息に悩まされてきました。高校に入学し「このままではいけない」と一念発起し、空手で自分の体を鍛え、黒帯取得とともに喘息を克服します。

大学卒業後、1年半の語学留学を経て、関連企業の営業職に就き、そこで大活躍。5年後、約束通りに鈴木産業に入社し、様々な部署を経験する中で自身の能力を遺憾なく発揮。業界トップに近いところまで会社が成長します。

さらなる成長をと目論んで、中国から製品を仕入れるようになったところ、不良品が多発し、取引先を幾つも失うことに。また、そのクレーム対応に疲れた社員が、何人も会社から去っていくという悪循環に陥ります。

「安かろう悪かろう」からの脱却を目指し、新たに立ち上げた商品部で自ら部長を務め、日々商品の品質向上を目指すものの、業績は一向に上向かない。そんな悩みを抱えているなかで、平成24年、同友会に入会。

会での学びを深めていくなかで経営理念の重要性に気づき、経営指針研究会に参加。ここで2年近くの時間を費やし、経営理念を創り上げます。

理念を作成するなかで自社の強みに気づき、それを生かした新規事業「倉庫業」に取り組んだ成果も、ようやく出始めるようになりました。

昨年12月に新社長に就任し、創業者鈴木徳一氏の精神と、自身も同友会の会員として作成した鈴木孝昌会長の経営理念を包み込んだ、鈴木昭二郎氏の想いの詰まった経営理念を社員全員の前で発表しました。

社内の隅々にまで理念が浸透するには、まだまだこれから時間は掛かるのでしょうが、理念に共感する社員の輪が少しずつ広がっているのを実感しているとのこと。

同じ方向を向く社員を増やすことで商品開発力・商品企画力を高めて、オリジナルブランドである「フジマーク」商品をどんどん世に送り出したいとの決意の発表で報告は終了しました。

グループ討論テーマは「自分の想いをどのように社内に浸透させますか?」でした。グループ発表では「○○という方法で社員と理念を共有しています」というようなテクニカル論を発表するグループはほとんどなく、何故浸透しないかの原因を深堀りしたり、経営理念の重要性を改めて考え直したり、浸透した先にどんな変化が出るのかを考えたりとバラエティーに富んだ発表となりました。

「経営理念が持つ力」について、改めて考え直す切っ掛けになった例会となりました。


第51回中同協定時総会 記念講演 (株)吉村 橋本久美子氏

第51回中同協定時総会最後を飾る記念講演。報告者は、(株)吉村 橋本久美子代表取締役社長。東京同友会の女性部部長でもあります。

タイトルは「同友会は経営者の宝島 ~おせっかいな仲間達と、出会い、学び、実践する。失敗しながら、変わる~」です。

冒頭、橋本氏のポリシーでもある「見える化」ということで、今回の報告の目的と目標設定が行なわれました。また、具体的な数字を入れることで目標到達点が明確化されるとのポリシーで、「2つ」という数字が目標として設定されました。

(株)吉村は茶葉を包装するパッケージの企画・製造・印刷・販売を行なう創業87年目を迎えるメーカーです。パッケージが紙の時代には商社でしたが、昭和47年にアルミパッケージが開発されると、「流通が川上へ行く」と判断した先代社長が、周囲の大反対を押し切りメーカー化を遂げ、今に至ります。

焼津市に工場があり、定期的に見学会を開催しているので、ご存じの方も多いかと思います。

社員数は、235名(当日現在)。「約」を付けないのが橋本流。社員を一つの集団として見るのでは無く、目の届く範囲の粒々の集合体として見たいとの思いから。もちろん、社員の名前と顔は全員覚えているとのこと。

サラリーマンの主婦として過ごしていた橋本氏は「明日の飯担当」として入社。10年後、売上が52億から45億まで落ち込んだ時に社長就任。「茶業界のビジネスパートナー」を掲げ社長業に邁進するものの、「女性社長のお手並み拝見」と言うことでかなり理不尽な扱いを受けて、業績も一向に上向かない。

そんな苦しい時代に同友会に出会い、入会。学びを自社に持ち帰りすぐに実践するということを繰り返し、次第に業績も上向いて行きます。

「ここで新たな一手を」ということで、新工場建設のために18億円の投資を決意。2011年1月にためしてガッテンに掛川茶が紹介されて、2月に起工式、「さあ、これからだ!」という時に起きた3月の大震災とその後の原発事故。そして、静岡茶からセシウムが検出されて、バッタリとお茶が売れなくなる。当然、包装の仕事も激減。

経費を詰める中で、労使見解と経営理念を学び直し、理念から「お茶」を外すことで、新しい道のりを歩み出し、今までの常識にとらわれない発想での商品を次々と開発。

そんな中、日本茶を脇役として引っ張り出せるお菓子「割れチョコ」が、ギフトショーで表彰される。これに注目した大企業が商談に来るものの、元々のコンセプトが日本茶を売るためのお菓子、量販店向けに大ロットで売るわけにはいかないということで、経営理念を携え丁重にお断りしたとのこと。

猫のポチ袋からヒントを得たキャラクターが、みたらしちゃん。尻尾がみたらし団子のようになっていることからの命名なのですが、このキャラクターをあろうことか、コーヒー会社から使いたいとのオファーが。

割れチョコ同様、みたらしちゃんも日本茶を飲んでもらうための仕掛けですから、ライバルとなるコーヒー会社には当然渡すわけには行かない。

「そんなオファーが来るのは、みたらしちゃんが理念を持っていないからだ」ということで、その後、みたらしちゃんの経営理念が作られ、そんなオファーも無くなったとのことです。

また、橋本社長は、様々なアイディアで「見える化」「共有化」を図っています。その中で、クレームに対しては事件化させて興味の湧く紹介をすることで、再発防止を図っています。

ちなみに、「そのまんまホーチミン事件」とは、クレームを放置したがために問題が大きくなって解決が難しくなったという案件です。

他にもここでは書き切れないぐらいの工夫とアイディアを沢山紹介頂きました。そんな工夫やアイディアを考えることも素晴らしいのですが、それらを実践し、その経験を積み重ねてきたことこそ、何よりも大切なことではないかと思う記念講演でした。


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