富士宮
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新年例会 講談を楽しみつつ親睦を深めた一日

富士宮支部1月例会は、毎年恒例、文化に親しむ例会として、ゲストに講談師の神田紫師匠をお招きしました。大阪木津川の開発に寄与した木津勘助のエピソード他を豊かな語り口で披露頂きました。終演後は新年会を開催し、新年の賀詞交歓をしつつ親睦を深めました。


忘年例会 未来への希望の架け橋

Band
いよいよ寒さも本格的になりだした12月9日金曜日、パテオンにて、静岡県中小企業家同友会富士宮支部の忘年会が開催されました。今期の忘年例会も、会員の家族もまじえて参加者は80人を超え、アットホームな雰囲気に。

簑支部長は、社会情勢の変化は元より、震災や台風など激動の一年を振り返りながら「のびる会社は社長が元気。課題意識・向上心をもちながら、お互いに高めあえる同友会の仲間、そして支えてくれる家族の和を大切に、来年に繋げていきたい」と語りました。

抽選会や早食い競争などの余興の他、昨年に続き2回目となる富士宮支部オリジナルバンド「朝日サンライダーズ」が登場。AKB48や浪漫飛行など3曲を披露し会場を盛り上げました。親睦と結束を深め、力強い未来への希望の架け橋のかかった忘年例会でした。

報告:有限会社カボスメディアワークス 田邉元裕


富士宮市中小企業大学 最終稿 無限集合を考える

日時:平成23年11月15日(火)19時

講師:静岡大学理学部 准教授 依岡輝幸氏

講義:無限集合を考える

若き数学者、依岡先生の講義である。「実数はいくつあるのか」から始まった。実数とはそもそも何でしたっけと中学高校時代の数学を思い出すが答えが返ってこない。自然数、整数、有理数、無理数はなんとなく理解ができるが。ゲオルグ・カントルはこの問題を提起し、その研究に命をささげて精神を病み、解決できぬままこの世を去る。クルト・ゲーデルもその問題に没頭し精神を病み、この世を去る。依岡先生、そんな研究をして大丈夫ですか。

実数を定義するために、有理数が使われ、有理数を定義するため、整数が使われ、整数を定義するため、自然数が使われる。では、自然数を定義するのに何が使われるのか。自然数を哲学的に定式化したゴットロープ・フレーゲは「概念の外延」と定義。例えば、リンゴが2つあるとしよう。この2つのリンゴが2つのリンゴとする概念だとすると頭の外側の方で2という自然数が存在している、そんな理解でいいのかしら。自然数には順序と演算が入る、小学生的だな。自然数には、帰納法と呼ばれる法則をもつ。その法則を説明する能力はないです。整数は二つの自然数の差で表す、負の概念の出現。有理数は2つの0でない整数の比1/2、-1/2それはわかる。2つの異なる有理数の間に別の有理数が存在する・ ・点を有理数とするとこの間に無限の有理数が、すなわち点の間に無限の細いペン先で、点を書くことができる。それをミクロの目で見れば点の間に無限の空間が横たわっている。ウサギはカメを追い越すことができないのかとふと頭に思いつく。

実数とは有理数と有理数でない数のことである。すなわち無理数のことである。2乗すると2になる有理数は存在しない、それが無理数。証明していただきましたが、理解不能、ただ証明の仕方は理解できそう、帰納法を使うんですよ。ここまで、大学の授業で6回の講義が必要だそうです。本講義では30分、大学生とは頭の出来が違う。

実数とは、次の性質を満たす有理数の集合Rのことである。1:aがRに属す時、aより小さい有理数はすべてRに属する。2:Rに属さない有理数が存在する。理解できます?そのあと依岡先生の研究テーマに入る。福島原発事故を受けた日本数学会の声明を抜粋してレポートを閉じます。「いい加減な情報に一喜一憂したり、情報操作に簡単にだまされたりすることなく、複雑な現代社会を賢く生きるためのスキルとして、数学的思考をできるだけ多くの国民が身につけてほしいと考えます。」

知的にすてきな時間を共有しました。

報告:黒松 健太郎 (黒松健太郎税理士事務所 所長)


富士宮市中小企業大学 第五講 揺れる大地の物語

日時   平成23年11月8日(火)19時

講師   静岡大学理学部助教 生田領野氏

講義   揺れる大地の物語

始めに、現在の陸地が形成されたプレートテクトニクスの解説が行われた。1915年にドイツのウェゲナー氏が「一つの大陸だった世界中の陸地が、およそ2億年前に分かれて移動した」という大陸移動説を唱えた。海岸線の形状・動植物の化石・岩石の種類等、一つの大陸から分かれたことは推察できるが、大陸移動の原動力は?という疑問が残った。1960年代、海底の探査によって、海嶺という巨大な海底山脈が発見され、海底掘削によって、海嶺に近づくほど堆積物が若くなることなどから、海洋底拡大により大陸が移動したことが解かった。海嶺のズレを調査すると、現在も間違いなく新しいプレートができ続けていることが証明される。地球内部の熱対流により、表面に出たスラブが冷やされ、密度が高まり、重くなって沈むことがプレート移動の原動力となっている。

日本の成り立ちは、2500年前からプレートが沈み込む収束帯で、背弧拡大により日本海が開き始め、日本海の拡大と共に、フィリピン海プレート上の火山列の衝突による陸地の隆起でできた。プレート収束帯に存在する日本は火山が多く、地震においては年間10万回を数える。

日本周辺で起こる地震は、海のプレートが陸のプレートに沈み込む時のストレスの開放時に、陸のプレート内で起きる深度の浅い地震、海のプレート内で起きる深度の深い地震、プレート間で起きる地震がある。地震が発するエネルギーの大きさはマグニチュードで表されるが、東北地方太平洋沖地震では破壊規模の大きさから表しきれず、モーメントマグニチュード9と発表された。地殻変動は、水平移動で最大5メートル、沈降は最大で80センチメートル、400㎞の範囲で破壊された。

海溝型地震では急に起きたり起こらなくなったりしない、過去に起こった場所では特定の時間間隔・規模で必ず起きる。プレートの沈み込みは1年で50㎝、地震を起こす場所(アスペリティ)は予め決まっており、地震時以外は強く固着している。今回の地震は連動型で、これまで知られていたアスペリティを複数個含み、滑りきっていると思われたアスペリティもそれを超えて滑った。結果、予想されたM7クラスの、面積で10倍、すべり量で数十倍という、300年分に相当する大規模地震となった。海溝型地震の津波発生のメカニズムは、アスペリティの固着が剥がれるときに、固着部で隆起、陸側で沈降する。これにより、大きな引き波に続いて津波が襲ってくる。

東海地方の地震は、東海・東南海・南海があるが、東南海・南海地震はともに90~150年周期で起きているが(66年前の昭和地震が最後)、東海では150年の空白がある。過去にも単独型はなく、おそらく次も連動型になると予想される。震央は南海・東南海と予想されるため、東海に至るまでに地震波が重なり、さらに内陸型となるので(静岡市の直下10㎞にプレート境界)、斜面崩壊・住宅の倒壊による被害が多いと予想される。

最後の質疑応答で、「どこに住んだら安全でしょう」という問いに、「日本に絶対安全なところはないでしょう」、先生の答えが耳に残った。

報告:河原崎信幸(シンコーラミ工業株式会社 会長)


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