富士宮
*

第5回 青懇先輩経営者交流会を開催しました。

平成25年11月29日。今年度第5回目の先輩経営者交流会を開催いたしました。

 今回の先輩は、株式会社森下建設代表取締役 森下孝一氏であります。

2013-11-29 19.50.17_R

今まで数々の武勇伝を人づてに聞いてはいましたが、実際お会いして話を伺うと、義理人情を大切にする親分肌のその人柄に惹き込まれます。

2013-11-29 18.58.09_R

2013-11-29 19.22.22_R

2013-11-29 19.24.40_R

今回も我々若造達の来訪のために、一日半をかけて自らの手で山芋をすりおろして準備をしてくれてありました。それを年季の入った笑顔で振舞ってくれる姿はまさに親分そのものです。その昔”山芋の会”と称して森下さんを囲んでの宴も富士宮支部には存在したそうですが、時を経て青懇の交流会に於いて復活していただいたことに感謝する次第です。山芋は勿論、麦御飯・煮物等の準備をしてくれ、終始笑顔で微妙な掛け合いもしながら、我々に付き合ってくれた奥様の存在も忘れてはなりません。「この人には、お金では苦労したけど、それでも周りの人達を幸せにしてきたし、人が寄ってくる。それが、すべてです。」とおっしゃり、ほんのり嬉しそうに覗えたその表情に、苦楽を共にしてきた夫婦のあるべき姿の何たるかを見た思いです。この先輩経営者交流会も回を重ねてきたわけですが、共通して言える間違いないことは、”必ず”いいパートナーがいるということです。仕事においても生活においても、互いに高めあい築き上げてきたものが我々中小企業の活力の源泉の一つである事は間違いないと思います。

2013-11-29 20.37.27_R

2013-11-29 19.21.55_R
 
 歓談の中、お酒も入り森下さんが生き様乃至、信念を語ってくれました。仕事に於いては”五感”を大切にしている事。「今は住宅を建てるにも材料が±ゼロで入ってくる。大工はそれを組み立てるだけ。夫々の誤差を調整しながら仕上げていくのが本来の大工(職人)の仕事である。」「式年遷宮はその技術を継承して、温存していくためのもの。五感を磨き継承していかなければ技術は廃れる。」まさに日本が直面している”職人”の伝承の難しさ大切さを表現してくれたと思います。そして『一期一会』森下さんの真骨頂「俺の近くに来た奴は、みな幸せになればいい・・・」格好良いです。この言葉は禅語に由来するわけですが、「一つの出会いに集中して 心から信頼し合える関係・仲間を作る。」その思いの深さ、関係の深さを構築してきたのが富士宮支部の歴史なのではないでしょうか。

2013-11-29 19.21.55_R

 宴は夜遅くまでに及び、その中で森下さんの文化に対する造詣の深さに驚愕いたしました。わずか19歳にして詠んだ詩が『浴衣きて川辺にそうて歩めれば 月に照らされ踊る若鮎』です。今回の参加者は三十後半から四十台に及んだのですが、誰とて詩を詠める者などいよう筈もありません。このような雅な伝統文化に触れることも、これからの経営を担う我々には必ずや必要なんだなと実感しました。最後には太鼓まで持ち出し、その鼓の音色に酔いしれた夜でした。次回(迷惑でなければ)は、是非とも例の地下室に我々を誘っていただきたいものです。森下さん有難う御座いました。

2013-11-29 22.00.52_R

2013-11-29 21.52.15_R

 余談ですが、今回の山芋の隠し味として使われていたのが”鯖”だそうです。だからこそ味わえたこのコクと旨味は、山芋だけではなく森下さんの人柄そのものであると思います。

2013-11-29 21.56.36_R

2013-11-29 21.56.02_R


11月13日 10月度振替青懇開催 「同友会だからこそできる良い会社・儲かる会社はこうしてつくる」

 2013年11月13日開催された青懇は、知久代表理事を講師としてお
迎えし、「同友会だからこそできる良い会社・儲かる会社はこうし
てつくる」というテーマで執り行われました。
 昨月10月15日に開催の予定だったのですが、台風の影響で交通機
関の乱れや道中の安全を考慮して延期という事にさせて貰っており
ました。しかし、打ち合わせに伺ったときの知久代表理事の所作や
振る舞いにえらく陶酔してしまったものですから、延期とはいえ一
日でも早く開催したいとの思いで今回にこぎつけました。
 実は今回も、当日にのっぴきならない予定が支部内で発生してし
まい、その調整にも四苦八苦しながら時間調整や短縮というある意
味苦肉の策を講じての対応となりました。

2013-11-13 19.02.38_R

 開催の前に、経歴の紹介のところで疑問を抱いていたので先に代
表理事に質問をしてみました。それは、「学生時代、理学部で化学
を専攻されていたのに何故税理士になられたのか・・・」という事
です。「では、その話から入りましょうか・・」というお返事。実
際、話の冒頭はそこから入っていただく事となりました。
実際話を聞いてみると、”大病を患いながらの学生時代”高校時代
の退学・編入””入社してすぐオイルショック””赤字の会社を心
配し、今後生活の手段として資格を取った。””実務経験を積む為
に退社、修行にでる”等々・・・その部分だけでも温和な性格・風
貌とは想像できない経歴を積んでおられた事に驚愕いたしました。
なかでも、「赤字の会社の総務部長が、業務時間中にゴルフの練習
をしているのを見て”駄目だ”と思った・・」のさわりが印象深か
った。富士宮支部の先輩会員の話でよく出てくる、「社長に嘘をつ
かれた・約束を反故にされた為に退社し独立した」に繋がるのだと
感じました。結局その会社はそれが全てではないのでしょうが、知
久代表理事という素晴らしい人材(財)を失った事になる。これは
大事な事で、人として、ましてやトップとしてのスタンスはどうあ
るべきかを再確認した思いであります。

 その後、同友会への入会(同友会歴23年)からその良さを知るに
至った経緯、私達に伝えたい事を語っていただきました。が、それ
を文章にすると膨大になると思うので、私の小汚いメモに記したも
のを箇条書きにしてみました。参加者それぞれ受け止め方や学んだ
事は違うと思いますがあえて書きます。

「同友会に入会し、3つの目的に惚れた・・・」
・志や理念が大事出るということ。
・目標とする会員を見つける。
・あの人がいるなら同友会に入りたいと思える人間になる。
・入会し、いろんな役をやらせてもらったからこそ素晴らしい人達
 と出会えた。
・全国大会に参加する意義(様々な準備をすることも学び)そして
 参加したからこそ素晴らしい出会いがある。
・自分で受けた役・参加した行事において積極的に何かをしようと
 すれば、それが学びとなる。
・出席をしないものにはチャンスがない。
・会員交流をもとに仲間を作る事で、無料の社外重役ができる。
・但し、同友会にどっぷりつかるのはよろしくない。

同友会で学んだ事を「自主・民主・連帯」の精神をもとに実践すれ
ば、自ずから経営はいい方向に向かうはず。「良い会社にしよう・
良い経営者になろう・良い経営環境を作ろう。」そして「自分がこ
うなろうと思った人間(会社)になるんだ!」という思い。それを
実現するには、経営指針(理念や経営計画)は必須であり、それら
を学ぶツールが同友会にあるのだという事。それが「同友会だから
こそできる良い会社・儲かる会社はこうしてつくる」に繋がるのだ
と学ばせていただきました。

本会終了後、「深新の会(二次会)」に移行。その場で参加者皆が
知久代表理事への謝辞と感想を述べる機会を作りました。どなたも
深く感じ入ったものがあり、持ち帰るものが多かった思います。同
友会では実践してこその学びでありますので、今後の参加者の活躍
に期待します。当然私自身もですが・・・

同友会富士宮支部のFBページにも詳しく記載があります(私ではありません)。是非、ご覧くだ
さい。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=429179550538681&set=a.208500902606548.41810.207449259378379&type=1&theater

2013-11-15 12.40.46_R


10月度D,E合同グループ会が開催されました。

内容:『事業継承について』〜 いつ社長になるの? 今でしょ!? 〜
日時:10月24日(木)19:00~21:00
場所:株式会社 中里メッキ 会議室
報告者:渡邉 昌和(株式会社 中里メッキ 専務取締役)
参加者 : 15名

本来はDグループ会だったのですが、諸事情によりEグループも加わり、また富士宮信用金庫さんもお見えになるなど、大盛況での開催となりました。
報告者は株式会社中里メッキの渡邉昌和さん(専務取締役)。
自身は約10年のサラリーマン生活を経て、中里メッキに入社して更に10年経ったタイミング。
現社長さんや工場長さんも高齢になってきて、そろそろ事業継承が現実味を帯びてきました。

DSC07230

自身のおじいちゃんの話が多かったのが印象的でした。
おじいちゃんは大正生まれの優秀な元国鉄マン(平成23年に亡くなられました)。
身延線→満州鉄道を経て帰国後、昭和23年、31歳のときに富士宮市大中里(現社名の由来でもある)にて創業。
何故メッキ業を始めたのかは謎だそうですが、今年で創業65年にもなる老舗です。

IMG_7853

昭和40年代に入ると、現社長、現工場長が入社します。
現工場長が、それまで職人の手作業であった工程を自動化するなど合理化を進め、会社も安定的に成長を続けます。
昭和45年生まれの昌和氏は比較的おとなしい少年でしたが、スイミングクラブに通い始めるとめきめきと上達し、小学4年生の時に水泳大会で優勝を経験するなど、その後のテニスでの活躍も含めてスポーツを通して自分に対する自信を深めていきました。
この頃の夢は「機動戦士ガンダム」の設計者。
この夢は平成5年、某自動車部品会社への就職、その後の自動車部品の設計者になるということで実現されます。
その後は日産テクニカルセンターや富士重工業へ出向し、自動車部品設計者として活躍。
さらにアメリカの子会社でも活躍、この頃結婚しますが、ほぼ同じころ中里メッキ社長である父親が病気のため手術を受けます。
これを機に某自動車部品会社を退職し、中里メッキに就職します。

中里メッキ入社後は品質を中心に業務に邁進。(ほぼ同時に同友会にも入会)
品質面での大きなピンチもありましたが、みんなで一致団結してなんとか乗り越え、逆に現在では信頼を勝ち得ています。
この時には相当な苦労をしたと思われますが・・・
「苦労って何だろう?自分のところにはクリアー出来ない苦労は来ない。」
苦労を苦労と感じない性格です。自覚は無さそうですが、相当芯が強い人だと思われます。
中身と見た目とのギャップが大きいので、他人から誤解されやすい人・・・蓑氏談。

さて肝心の事業継承については、従業員との信頼関係の築き上げやキーマンの育成など、徐々にですが確実にプランを進めています。
もう近い将来と思われます。

IMG_7852

新深の会。
「事業継承と事業承継ってどう違うの??」
「継承は権利や財産なんかを受け継ぐこと、承継は理念や精神や伝統なんかを受け継ぐことだよ。」
「へぇ〜、そうなんだ!!」
と盛り上がりながら秋の夜は更けていくのでした。

IMG_7856


9月度Eグループ会が開催されました。

内容:株式会社トウネツの工場見学会!
日時:9月30日(月)16:00~19:00
場所:株式会社トウネツ 北山工場及び本社
担当者:望月城也太
参加者 : 10名

トウネツさんってどんなモノをどうやって作ってるんだろう??
我々が常日頃思っている素朴な疑問だと思います。
今回はそんな秘密のベールに包まれたトウネツさんの工場に潜入!
場所は北山の奥地、トウネツさんの専用道路を進んでいくと、神秘の森のベールに包まれた工場が姿を現します。
工場の一部には阪神大震災の際の小学校の仮設校舎が利用されています!

望月城也太副社長から事前に説明を受けます。
IMG_7695
以下、レジュメからの引用が多くなりますが・・・
簡単に言うと、「炉」を作ってます。
炉と言っても普段我々が目にする事はほとんどない、「工業炉」です。
さらに工業炉の中にも実に様々な種類があり、ここで製作しているのは「アルミ鋳造炉」です。
溶かしたアルミを一定温度に保ち、品質も良い状態に保っておくための炉です。
主な納入先は自動車メーカー等になり、この炉を経たアルミが自動車の心臓部とも言えるエンジンのシリンダーブロックやシリンダーヘッドになるのです。
今やこのトウネツの高性能な炉なしでは品質の良いエンジンは作れないと言っても過言ではないでしょう!

実際に製作中の炉は・・・自分が想像していたよりも案外コンパクト。ざっくり自動車1台分くらいのスペースですね。
資材等は研究に研究を重ねたノウハウのかたまり。他社ではなかなかマネが出来ないでしょう。
作業現場は・・・案外粉っぽいです(笑)。
炉の内部の部分(これが意外と発泡スチロールのように軽い!)を作業員の方がシュコシュコと削り取ったりしています。
一見シロウトでも出来そうな作業に見えますが、実は炉の品質を左右するとても重要な作業。

設備の寿命が来て「廃炉」になったものを説明しています。
IMG_7697
アルミ用の炉は使用年数が経ってくると(寿命は5〜7年)どうしても内部に「オバケ」と呼ばれるとっても硬い不純物が堆積してきます。写真で青色っぽく見える物質です。
後ろに見える重機はオバケを破壊するための専用の重機です。
オバケが堆積すると炉の性能が極端に落ちてしまうため、寿命となるのです。
トウネツさんの技術でオバケが出ない炉は作れないんですか??
それが出来てしまったら・・・まずいじゃないですか。

後半は本社に移動し、海外展開と海外戦略についてのお話です。
IMG_7699
自動車関連メーカーのある所にトウネツあり。
今や日本以外にも中国(大連・広州・重慶)、インド、タイにも工場を構えています。
ここで、国際貿易部門、知的財産・契約部門に所属の若き麗しき女性社員の方2名が登場。
思わず見とれて・・・いや話はちゃんと聴いたつもりですが、私には若干難しかったようで・・・。

要するに、海外展開をしているとどうしてもモノや人や形の無い技術のやり取りがある。
ここでお金の部分をうやむやにしないで、有形無形のモノやサービスをきちんと「売る」ことで収益をしっかり上げるという取り組みをしているとのことです。
基本的で簡単で当たり前のことと思われるかも知れませんが、相手が海外の場合、この辺りをきちんとやることは結構難しいことのようです。
ノウハウ本があるわけでもなく、何も分からないところから自力で築き上げてきたシステムです。

飛行機の中で中国人と間違われるほど中国での活動が長い城也太さんですが、やっぱパワフルです。


  • 富士宮支部
  • 静岡県中小企業家同友会
  • jobway
  • DOYUNET
  • 同友会会員検索
  • 同友会活動支援システム

過去記事