富士宮
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忘年例会 未来への希望の架け橋

Band
いよいよ寒さも本格的になりだした12月9日金曜日、パテオンにて、静岡県中小企業家同友会富士宮支部の忘年会が開催されました。今期の忘年例会も、会員の家族もまじえて参加者は80人を超え、アットホームな雰囲気に。

簑支部長は、社会情勢の変化は元より、震災や台風など激動の一年を振り返りながら「のびる会社は社長が元気。課題意識・向上心をもちながら、お互いに高めあえる同友会の仲間、そして支えてくれる家族の和を大切に、来年に繋げていきたい」と語りました。

抽選会や早食い競争などの余興の他、昨年に続き2回目となる富士宮支部オリジナルバンド「朝日サンライダーズ」が登場。AKB48や浪漫飛行など3曲を披露し会場を盛り上げました。親睦と結束を深め、力強い未来への希望の架け橋のかかった忘年例会でした。

報告:有限会社カボスメディアワークス 田邉元裕


富士宮市中小企業大学 最終稿 無限集合を考える

日時:平成23年11月15日(火)19時

講師:静岡大学理学部 准教授 依岡輝幸氏

講義:無限集合を考える

若き数学者、依岡先生の講義である。「実数はいくつあるのか」から始まった。実数とはそもそも何でしたっけと中学高校時代の数学を思い出すが答えが返ってこない。自然数、整数、有理数、無理数はなんとなく理解ができるが。ゲオルグ・カントルはこの問題を提起し、その研究に命をささげて精神を病み、解決できぬままこの世を去る。クルト・ゲーデルもその問題に没頭し精神を病み、この世を去る。依岡先生、そんな研究をして大丈夫ですか。

実数を定義するために、有理数が使われ、有理数を定義するため、整数が使われ、整数を定義するため、自然数が使われる。では、自然数を定義するのに何が使われるのか。自然数を哲学的に定式化したゴットロープ・フレーゲは「概念の外延」と定義。例えば、リンゴが2つあるとしよう。この2つのリンゴが2つのリンゴとする概念だとすると頭の外側の方で2という自然数が存在している、そんな理解でいいのかしら。自然数には順序と演算が入る、小学生的だな。自然数には、帰納法と呼ばれる法則をもつ。その法則を説明する能力はないです。整数は二つの自然数の差で表す、負の概念の出現。有理数は2つの0でない整数の比1/2、-1/2それはわかる。2つの異なる有理数の間に別の有理数が存在する・ ・点を有理数とするとこの間に無限の有理数が、すなわち点の間に無限の細いペン先で、点を書くことができる。それをミクロの目で見れば点の間に無限の空間が横たわっている。ウサギはカメを追い越すことができないのかとふと頭に思いつく。

実数とは有理数と有理数でない数のことである。すなわち無理数のことである。2乗すると2になる有理数は存在しない、それが無理数。証明していただきましたが、理解不能、ただ証明の仕方は理解できそう、帰納法を使うんですよ。ここまで、大学の授業で6回の講義が必要だそうです。本講義では30分、大学生とは頭の出来が違う。

実数とは、次の性質を満たす有理数の集合Rのことである。1:aがRに属す時、aより小さい有理数はすべてRに属する。2:Rに属さない有理数が存在する。理解できます?そのあと依岡先生の研究テーマに入る。福島原発事故を受けた日本数学会の声明を抜粋してレポートを閉じます。「いい加減な情報に一喜一憂したり、情報操作に簡単にだまされたりすることなく、複雑な現代社会を賢く生きるためのスキルとして、数学的思考をできるだけ多くの国民が身につけてほしいと考えます。」

知的にすてきな時間を共有しました。

報告:黒松 健太郎 (黒松健太郎税理士事務所 所長)


富士宮市中小企業大学 第五講 揺れる大地の物語

日時   平成23年11月8日(火)19時

講師   静岡大学理学部助教 生田領野氏

講義   揺れる大地の物語

始めに、現在の陸地が形成されたプレートテクトニクスの解説が行われた。1915年にドイツのウェゲナー氏が「一つの大陸だった世界中の陸地が、およそ2億年前に分かれて移動した」という大陸移動説を唱えた。海岸線の形状・動植物の化石・岩石の種類等、一つの大陸から分かれたことは推察できるが、大陸移動の原動力は?という疑問が残った。1960年代、海底の探査によって、海嶺という巨大な海底山脈が発見され、海底掘削によって、海嶺に近づくほど堆積物が若くなることなどから、海洋底拡大により大陸が移動したことが解かった。海嶺のズレを調査すると、現在も間違いなく新しいプレートができ続けていることが証明される。地球内部の熱対流により、表面に出たスラブが冷やされ、密度が高まり、重くなって沈むことがプレート移動の原動力となっている。

日本の成り立ちは、2500年前からプレートが沈み込む収束帯で、背弧拡大により日本海が開き始め、日本海の拡大と共に、フィリピン海プレート上の火山列の衝突による陸地の隆起でできた。プレート収束帯に存在する日本は火山が多く、地震においては年間10万回を数える。

日本周辺で起こる地震は、海のプレートが陸のプレートに沈み込む時のストレスの開放時に、陸のプレート内で起きる深度の浅い地震、海のプレート内で起きる深度の深い地震、プレート間で起きる地震がある。地震が発するエネルギーの大きさはマグニチュードで表されるが、東北地方太平洋沖地震では破壊規模の大きさから表しきれず、モーメントマグニチュード9と発表された。地殻変動は、水平移動で最大5メートル、沈降は最大で80センチメートル、400㎞の範囲で破壊された。

海溝型地震では急に起きたり起こらなくなったりしない、過去に起こった場所では特定の時間間隔・規模で必ず起きる。プレートの沈み込みは1年で50㎝、地震を起こす場所(アスペリティ)は予め決まっており、地震時以外は強く固着している。今回の地震は連動型で、これまで知られていたアスペリティを複数個含み、滑りきっていると思われたアスペリティもそれを超えて滑った。結果、予想されたM7クラスの、面積で10倍、すべり量で数十倍という、300年分に相当する大規模地震となった。海溝型地震の津波発生のメカニズムは、アスペリティの固着が剥がれるときに、固着部で隆起、陸側で沈降する。これにより、大きな引き波に続いて津波が襲ってくる。

東海地方の地震は、東海・東南海・南海があるが、東南海・南海地震はともに90~150年周期で起きているが(66年前の昭和地震が最後)、東海では150年の空白がある。過去にも単独型はなく、おそらく次も連動型になると予想される。震央は南海・東南海と予想されるため、東海に至るまでに地震波が重なり、さらに内陸型となるので(静岡市の直下10㎞にプレート境界)、斜面崩壊・住宅の倒壊による被害が多いと予想される。

最後の質疑応答で、「どこに住んだら安全でしょう」という問いに、「日本に絶対安全なところはないでしょう」、先生の答えが耳に残った。

報告:河原崎信幸(シンコーラミ工業株式会社 会長)


富士宮市中小企業大学 第四講 震災後日本の課題

日時   平成23年10月21日(金) 19時

講師   静岡大学名誉教授 山本義彦氏

講義   震災後日本の課題(経済学)

先生は冒頭に、カタルーニャ国際賞受賞での村上春樹のスピーチ(「広島・長崎の被爆体験をした日本は核に頼らない世界の実現に全エネルギーをかけるべきだった」)に触れ、いち早く脱原発を表明したドイツとの比較を考察する必要を述べられた。

先生は、広島・長崎より、平和時におきた第五福竜丸の被爆に大きな影響を受け、経済学者でありながら核問題に大きく関わってこられた。

「核に頼らない」とは、「核の平和的利用」の名の下での核保有能力を維持することになる、核依存の電源開発を否定することである。国際的には核はあくまでも核である。「原子力発電」ではなく「核発電」と呼ぶべきかもしれない。

近年GDPの伸びと共に、エネルギー消費は伸びているが、そのなかで、民生・運輸部門での伸びが顕著である。産業部門では、エネルギー消費の伸びはないが、産業構造の変化や石油の安定的調達への不安から、電力への依存が高まってきた。日本のエネルギー自給率は4%しかなく、自給率を高めるために、一度輸入すると数年使うことができるウランを燃料とする、原子力発電をを準国産エネルギーとしてとらえ、原子力発電所を増設した。

その結果、日本は原発大国となった。政府はコスト・効率において火力発電より優れていると言い続けてきたが、効率においては、事故の発生が多く、設備利用率は国際的にも低い。コストにおいても事故対応・中間処理・最終処理・設置建設費等を加えると、火力発電より優れているとはいい難い。

全国規模で過去の最大使用電力を調べてみると、火力・水力発電の発電能力を超えたことはない。原発なしでも停電しないというデータはあるが、原発の発電比率は各電力会社で差があり、最高は関西電力の48%、最低は沖縄電力の0%である。原発依存度の高い地域の是正は、広域での電力融通など、長期にわたった設備投資計画が必要であるが、今後は大容量供給型の原発を基幹とする電力会社から、エネルギーの節約効果も期待される、地域生産型の分散的エネルギー供給体制への転換が重要である。

原発を誘致した地域には、種々の財政支援が行われ、補助金による最高水準の財政健全性が維持されてきた。外形的には一人当たりの所得は増加するが、地域に根付く産業の発展や、中小企業の振興策が見えなくなってしまう。原発という危険な特定産業に依存し、日常的にも放射線の高い地域となっていて、人々の健康障害が不安である。

アメリカでは核施設の周辺住民に、その危険性や放射線量の周知や、癌など放射線起因と思われる患者数の公表も行っている。日本においても今後、地域住民への情報公開が大切である。

福島原発の廃炉には40年以上の月日がかかるといわれている。また使用済み核燃料の処理方法はいまだ確立されていない。安全神話の中、便利さに慣らされていた私の無知を恥じる。

報告:河原崎信幸(シンコーラミ工業株式会社 会長)


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